こんにちは。 胃癌取扱い規約の第15版が2017年10月発売ですので1年以上経過しています。 しかし未だに規約の内容が覚えきれないので、勉強がてら備忘録としてメモしておきます。 筆者なりの解釈や改変が入っているので実際の規約を基本としてください。 胃癌…
こんにちは。 泌尿器病理医が日々思ったことなどを書いています。 先日、他院の標本ですが前立腺生検を拝見しました。 なんと24本生検! 日常的にやっているのか、たまたま多いのかわかりませんが、勘弁して欲しいと感じたのが正直なところです。 昔は6本…
こんにちは。 一般的に副腎皮質腺腫の中でアルドステロン産生腫瘍はサイズが小さいことが多いです。アルドステロン産生腺腫 (aldosteron producing adenoma: APA)により原発性アルドステロン症を生じるのですが、時にスピロノラクトン体が目立つ症例がありま…
こんにちは 前立腺癌では導管内に癌が進展・増殖する場合があり、intraductal carcinoma of the prostate: IDC-P と呼ばれます。 2016年のWHOブルーブックでは「intraductal carcinoma」として記載されています。 WHO Classification of Tumours of the Urin…
こんにちは。 泌尿器科領域における神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor: NET) はかなり稀です。 膀胱・前立腺の小細胞癌や膀胱のcarcinoidを経験したことはありますが、肺・消化器領域とくらべると頻度が少ないため、今回は専門外ではありますが、勉強し…
こんにちは。 今回は、シェーグレン症候群(Sjögren's syndrome: SS or SjS) の組織学的診断についてです。 よく用いられる基準にGreenspan gradeがありますので、このGradeを備忘録として記載しておきます。。 臨床的にSSが疑われ口唇の生検組織(おおよそ2…
こんにちは。 日本人では頻度は少ないですが、たまに症例があるのでTNM分類をメモしておきます。 症例が少ないためか癌取扱い規約はありません。2016年のWHO classification に準じておきます。同書ではAJCC 7th edition (2010)を基にしています。 T分類 Tis…
こんにちは。 以前、精巣垂と精巣上体垂の違いを記事にしました。今回は、精巣垂捻転の組織を載せておきます。 www.pathonosuke.net 精巣垂は乳頭状の組織で精巣上体垂は嚢胞状の組織でした。 ↓こちらは精巣垂とわかります。 弱拡大の精巣垂組織です。間質浮…
こんにちは。 今回は、歯根嚢胞 (radicular cyst) の組織像を示します。 重層扁平上皮に裏打ちされる嚢胞壁組織です。上皮下にはリンパ球・形質細胞主体の炎症細胞浸潤を認めます。 嚢胞腔側(左)の裏装上皮層。 2層目の肉芽組織層。 3層目の線維性結合組織…
こんにちは。 Capillary hemangioma (pyogenic granuloma, telangiectatic granuloma) の組織像です。ISSVA分類では vascular malfomation, capillary malformation に相当します。 皮膚真皮内に毛細血管増生からなる肉芽組織を認めます。表皮はやや菲薄で過…
こんにちは。 泌尿器病理の中でも膀胱癌に対するTURBTというのは変性が強い組織の一つです。 生検であればそれほど組織像の変化はないのですが、熱がかかる・分断される・挫滅が加わるなどの変化が大きい「ループ電極での切除」は病理医泣かせといえます。変…
こんにちは。 血管腫 (hemangioma)は、皮膚などにできる良性の病変ですが、最近は血管奇形 (vascular malformation) と書いた方がいいのかなと思ったので記事にしました。 頭皮の病変の組織像です。弱拡大では真皮内から脂肪組織にかけて楔状に血管腔の集簇…
こんにちは。 「医師にとっての資産の殖やし方」について記事を書いています。 前回記事で書きましたが、私はアラフォーの40代です。資産はほとんど持ってませんのでこれから運用して老後のために資産形成しようと考えている状態です。金融のプロでもなんで…
こんにちは。 「医師にとっての資産の殖やし方」ということについて記載しています。 私はアラフォーの40代です。資産はほとんど持ってませんのでこれから運用して老後のために資産形成しようと考えている状態です。自ら勉強したうえで、実践していることを…
こんにちは。 自称泌尿器病理医が日常出会った症例や調べたことなどを書いています。 後腹膜脂肪肉腫の症例を経験 論文ひとつ目 論文ふたつ目 2本の論文から考える 自験例を考える 直近の論文 後腹膜脂肪肉腫の症例を経験 後腹膜脂肪肉腫の症例を診断する機…
こんにちは。 泌尿器病理医が病理その他について思うことを書いています。 本稿では2018年8月に改訂された「精巣腫瘍取扱い規約第4版」をチェックしていきます。 精巣に限らず、UICCのTNM分類第8版に沿う形になっているのが最近の傾向ですね。 さらに泌尿器…
こんにちは。 「医師にとっての資産の殖やし方」ということについて記載しています。 私はアラフォーの40代です。資産はほとんど持ってませんのでこれから運用して老後のために資産形成しようと考えている状態です。金融のプロでもなんでもないですが私が実…
こんにちは。 自称泌尿器病理医が病理について思うことを書いているのですが、たまには「医師にとっての資産の殖やし方」ということについても記載していきたいと思います。 前回記事で書きましたが、私はアラフォーの40代です。資産はほとんど持ってません…
こんにちは。 本日は尿管の正常組織像を載せておきます。 左から順に粘膜~固有筋層~周囲脂肪組織。 尿管の粘膜は尿路上皮に覆われています。膀胱や腎盂と同じです。表層部のアンブレラ細胞が確認できます。 粘膜筋板は欠くことが多く、ほとんどの場合平滑…
こんにちは。 今回は胃生検でみられた低分化腺癌の組織像です。 分化型にくらべると内視鏡的にわかりにくのでしょうか、悪性疑いでない場合に時に出会うことがあり、このような場合には見落しに気をつけないと怖いです。 粘膜固有層内の間質に索状もしくは孤…
こんにちは。 Clear cell renal cell carcinoma の腎静脈内進展。いわゆるtumor thrombus の組織像です。 上方に動脈があり随伴する静脈内にRCCの静脈浸潤像が見られます。 写真の左に腎実質がみえるので、ちょうど脈管が腎実質に入るレベルの腎静脈分枝です…
こんにちは。 外陰部にできる condyloma acuminatum です。 弱拡大では乳頭状の表皮肥厚が見られます。 拡大すると扁平上皮には表層においてコイロサイトが見られます。 よくみると軽度の核形の不整と核周囲の淡明化 (空胞化)があります。 parakeratosis が…
こんにちは。 自称泌尿器病理医が病理について思うことを書いていまるのですが、たまには医師にとっての資産の殖やし方ということについても記載していきたいと思います。 もちろん金融とか経済・社会情勢に詳しいわけではありません。「餅は餅屋」ですので…
こんにちは。 病理医が目にする頻度はあまり高くありませんが、たまに間葉系悪性腫瘍(肉腫)に出会います。 泌尿器病理をやっていると様々な臓器に発生する悪性リンパ腫が思い浮かぶのですが、いわゆる肉腫というと後腹膜領域に発生する高分化脂肪肉腫 (aty…
こんにちは。 病理標本の保管・移送用に用いられているスライドガラス用のトレイをマッペと呼んでいます。 マッペは1枚あたり20枚や30枚のスライド載せることができ、このマッペを重ねることで標本を保管することができます。 病理検査室においているマ…
こんにちは。 病理医の診断には良悪を決めるところから、悪性度やスコアをつけるところまで様々な(責任の)レベルがあります。 良悪については間違うと責任を問われる可能性があります。しかし、その悪性度(high grade / low grade や Grade 1~3 など)の…
こんにちは。 前立腺癌に特有のGleason score について、実例を載せておきます。 Gleason score はISUPのコンセンサス会議で改正され、少しずつ変化してきました。 再現性を担保する上で重要なことは、 ・弱拡大での観察を重視する ・独立腺管=Gleason patt…
こんにちは。 膀胱のCISの像を載せておきます。 粘膜上皮の表層を被蓋するアンブレラ細胞はかなりの部分で残存しています。 このアンブレラの下にCISの増殖が見られます。 核の多型性が目立つ異型尿路上皮細胞で、その核の大きさに注目すると、間質のリンパ…
こんにちは。 Inverted papilloma と von Brunn's nest についてです。 いずれも膀胱の三角部近傍に好発します。良性の病変ですね。 こちらは Inverted papilloma です。表面(画像の左側)に非腫瘍性の尿路上皮が覆っています。 その下方には内反性に増殖す…
こんにちは。 今回は粘膜上皮内にかなり強い好中球浸潤が見られた症例です。 尿路上皮内に好中球浸潤が目立ちます。これくらいの炎症細胞浸潤があると反応性に上皮異型が見られることがおおいのですが、ほとんど核の腫大はありません。間質のリンパ球と同じ…