前立腺
前立腺の IDC-P に関して日本からの報告があったのでチェックしました。 intraductal carcinoma of the prostate (IDC-P) は予後不良因子だということは知られています。 ・2019 ・The prostate ・名古屋のGroup(Tsuzuki T ら) 前立腺全摘後の生化学的…
前立腺癌のマネジメントにおいてPSAは必須の役割を担っています。 シンプルに考えると 「PSAが上昇=再発」 という感じです。 これはこれでおおざっぱな理解としては大丈夫なのですが、きっちりした定義もあります。 NCCN (national comprehensive cancer ne…
こんにちは。 前立腺癌に対して様々な放射線治療が行われますが、その治療後の再発というのはどう判断しているのかという点をチェックしました。 NCCN (national comprehensive cancer network) のガイドラインに記載されている再発の定義をみていくと、、 R…
こんにちは。 最近NCCNのガイドラインにログインできるようになったので(無料で登録可能)、最新版の「前立腺癌」をみていきます。 https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/prostate.pdf 前立腺癌のガイドラインはVersion 4.2019 (2019/8/19…
こんにちは。 以前からなんとなく認識していたのですが、IDC-Pの概念を知ってからは特に「基底細胞様の形態をとる癌細胞」が気になります。 こちらは前立腺全摘標本の一部に見られた癌腺管です ↓ 。 その拡大 ↓ 境界明瞭な癌胞巣がみられ、篩状構造をとる Gl…
こんにちは。 泌尿器病理医が日々思ったことなどを書いています。 先日、他院の標本ですが前立腺生検を拝見しました。 なんと24本生検! 日常的にやっているのか、たまたま多いのかわかりませんが、勘弁して欲しいと感じたのが正直なところです。 昔は6本…
こんにちは 前立腺癌では導管内に癌が進展・増殖する場合があり、intraductal carcinoma of the prostate: IDC-P と呼ばれます。 2016年のWHOブルーブックでは「intraductal carcinoma」として記載されています。 WHO Classification of Tumours of the Urin…
こんにちは。 前立腺癌に特有のGleason score について、実例を載せておきます。 Gleason score はISUPのコンセンサス会議で改正され、少しずつ変化してきました。 再現性を担保する上で重要なことは、 ・弱拡大での観察を重視する ・独立腺管=Gleason patt…
前立腺では癌腺管か非癌腺管かの鑑別は時として難しいものです。数多く診断していても高分子量サイトケラチンの34βE12は常に併用したいと思うところです。 癌と間違えやすい非癌腺管として「萎縮腺管」があります。分泌細胞が消失して基底細胞が腺管を構築し…
ホルモン治療後の前立腺癌に対してはGleason scoreをつけないことになっています。これは治療による癌腺管の形態変化がおこるために正しいグレーディングができなくなるからです。 短期的に抗アンドロゲン製剤を投与された後に全摘された症例です。 この写真…
前立腺癌のTNM分類についての備忘録です。2018年2月現在出版されている泌尿器領域の癌取扱い規約においてはこの前立腺癌取扱い規約(第4版)を含めてUICCのTNM分類第7版が採用されています。 T1 実際的にはTUR-P・HoLEP・TUEBの場合にT1a, T1bがつきます。 …
尿路上皮癌(膀胱癌の再発)が前立腺の導管内に進展する像です。 臨床的には膀胱癌に対してBCG膀胱内注入療法後に尿細胞診陽性が続くために精査されました。経尿道的に採取された「①前立腺部尿道」および「②経会陰的に針生検で採取された前立腺組織」です。…
今回は組織像はでてきませんが、以前より気になっていたテーマです。Benign prostatic hyperplasia (BPH) についてです。いわゆる前立腺肥大症のことですが、、、、 教科書的には 本稿を書くに際してもう一度病理の教科書を確認しました。(Robbins & Cotran …
前立腺癌に対しては放射線治療が行われることがあります。IMRTなどの外照射・小線源治療などの内照射・ほかにも粒子線治療など多岐にわたります。放射線照射後の前立腺組織はみる機会は多くありませんのでここで提示しておきます。 HEです 二相性の不明瞭な…
膀胱癌の治療として膀胱内へのBCG注入療法がなされることがあります。CISに対する治療目的やTURBT後の再発予防目的ですね。治療にともない男性の場合はPSA上昇がみられることもあり、前立腺癌の除外のために生検されることがあります。膀胱内への薬剤注入で…
上、HE 下、34βE12 前立腺生検で見かけた上皮の集塊。基底細胞が接線方向に切れた像でした。
前立腺全摘の割面肉眼像です。 ほとんどの症例では多発しており、割面を観察しても癌の結節は同定しがたいです。 珍しく、肉眼的に把握できる境界明瞭な黄色の癌巣を認めました。 左TZ領域に17mm大。 この例では黄色ですが、白っぽいことも多い印象です。 右…
前立腺生検の組織像です。 とくに弱拡大でみると腺管の密度は低く管腔もやや屈曲しており良性腺管のような 印象を受けます。腺管を構成する細胞も2~3層ほどあるように見え、二相性 があるようにも見受けられます。 実際には下のように34βE12免疫染色で二相…
前立腺生検で見つかった腺癌です。形態的には通常の腺癌で Gleaon score 3+3という感じ。 左はHE染色、右は34βE12の免疫染色です。 34βE12は基底細胞マーカーであり腺癌では二相性消失により陰性になるはず。 この症例では弱~中程度の陽性像が明らかな癌腺…