uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

膀胱癌に対する免疫チェックポイント阻害剤

膀胱癌に対する免疫チェックポイント阻害剤ということで、調べてみました。 NCCNのガイドライン上はどのような薬剤が使用されているのか。 https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/bladder.pdf ファーストラインで使用する場合は、シスプラチ…

【論文チェック】前立腺 IDC-P による予後への影響

前立腺の IDC-P に関して日本からの報告があったのでチェックしました。 intraductal carcinoma of the prostate (IDC-P) は予後不良因子だということは知られています。 ・2019 ・The prostate ・名古屋のGroup(Tsuzuki T ら) 前立腺全摘後の生化学的…

【論文チェック】SALL4 の免疫染色は " germ cell tumor " に有用

こんにちは。 最近、SALL4の抗体が使えるようになったので、病理診断においてどのような使い道があるのか調べてみました。 www.ncbi.nlm.nih.gov ・2014 ・AJSP ・Miettinen ら ・SALL4は " embryonic cell pluripotency " にかかわる転写因子であり、ge…

膀胱癌に対する化学療法・・DDMVACとは?

こんにちは。 膀胱癌に対する化学療法といえば MVAC が標準的であり、私の記憶するかぎりずっと変化していないと思っていました。 ところが最新のNCCNのガイドラインを見ていると、全身治療の推奨レジメンとして "DDMVAC with growth factor support" なるも…

前立腺摘除後の再発に関する定義【NCCNガイドラインより】

前立腺癌のマネジメントにおいてPSAは必須の役割を担っています。 シンプルに考えると 「PSAが上昇=再発」 という感じです。 これはこれでおおざっぱな理解としては大丈夫なのですが、きっちりした定義もあります。 NCCN (national comprehensive cancer ne…

前立腺癌に対する放射線治療後の再発・・・ASTROの定義をチェック

こんにちは。 前立腺癌に対して様々な放射線治療が行われますが、その治療後の再発というのはどう判断しているのかという点をチェックしました。 NCCN (national comprehensive cancer network) のガイドラインに記載されている再発の定義をみていくと、、 R…

放射線治療後のPSA再発に対してのマネジメント【NCCNガイドラインから】

こんにちは。 最近NCCNのガイドラインにログインできるようになったので(無料で登録可能)、最新版の「前立腺癌」をみていきます。 https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/prostate.pdf 前立腺癌のガイドラインはVersion 4.2019 (2019/8/19…

腎癌に対する最近の治療薬を調べてみる (2019/9/24)。

腎癌に対する治療がどのように変わって来ているのか、簡単に調べてみました。 NCCNのガイドラインについては2018年版は日本語版をみることができます。 NCCNガイドライン 泌尿器がん|NCCNガイドライン日本語版 ソラフェニブが2008 年 4 月に、スニチニ…

【論文チェック】前立腺生検組織を Multiplex method で作成する。

こんにちは。 前立腺生検の検体作成方法についての文献が出ていました。 www.ncbi.nlm.nih.gov ・2019 ・American journal of clinical pathology ・Murugan P et al. ・ミネソタ大学 生検組織の作成 (processing) に関して、通常の作成方法とBxChip を…

【論文チェック】Early stage 精巣腫瘍に関するAUAのガイドライン

こんにちは。 Early stage の精巣腫瘍についてAUAのガイドラインがでていました。 こういったガイドラインが公開されているのはさすがAUAです。 ざっと見ていきます。 www.ncbi.nlm.nih.gov ・2019 ・journal of urology ・AUAチームによるシステマテ…

【論文チェック】Reverse Polarity を有した乳頭状腎腫瘍

こんにちは。 先日、clear cell papillary RCC の文献を読んでいて、" reverse polarity" という単語が頭に残っており、それがもとで今回の論文をpick up してみました。 同じ著者が最近2本の論文を載せています。 www.ncbi.nlm.nih.gov 1本はこちら (abst…

【論文チェック】Clear cell papillary renal cell carcinoma のレビュー記事

こんにちは。 比較的新しい疾患分類ですが、Clear cell papillary renal cell carcinoma (ccpRCC) に関する記事を見つけたのでチェックしてみました。 open access で病理画像もみることができますし、ショートレビューなので短時間で読むにはおすすめ。 www…

【論文チェック】新膀胱造設に際して尿道断端の術中迅速診を省略できるか

こんにちは。 新膀胱造設に際して尿道断端の術中迅速診を省略できるか という趣旨の研究です。 www.ncbi.nlm.nih.gov ・PMID: 31059666 DOI: 10.1097/JU.0000000000000317 ・2019年 ・Journal of Urology・author: Labbate C, Steinberg GD ら・シカゴ大学 …

【論文チェック】前立腺癌患者のCAM使用傾向(USAの研究)

こんにちは。 医学論文を適当にピックアップして読んでみました。 今回は前立腺癌とサプリメントについての論文です。 www.ncbi.nlm.nih.gov ・2019年 ・Journal of Urology ・PMID: 31091175 DOI: 10.1097/JU.0000000000000336・1st author Zuniga KB・last…

精巣腫瘍の診断。鞘膜への露出や精巣網への浸潤について。

こんにちは。 精巣腫瘍の診断においては、まず組織型ありきなのですが、ステージングのためには脈管侵襲像や精巣鞘膜への露出がないかどうかということも見ておく必要があります。 そのあたりは精巣腫瘍取扱い規約についての記事がありますのでそちらを参照…

尿路上皮癌の再発に関する2つの説「intraluminal seeding」,「field cancerization」について。

こんにちは。 尿路上皮癌は大きく上部尿路(腎盂・尿管)癌と膀胱癌に分類されます。 腎盂尿管癌の場合は治療として腎尿管全摘が選択されるわけですが、術後には高い確率(22-47%)で膀胱内再発が生じます。 このメカニズムとして多中心性発生 (field canceriz…

TURBTの際に生検 (cold cup biopsy) をしておく必要はあるか。

こんにちは。 膀胱腫瘍に対するTURBT (transurethral resection of bladder tumor) は泌尿器病理においてはかなりポピュラーな検体です。 泌尿器科医にとっても前立腺生検に次いで身近な病理検体ではないかと。 「TURBTの際に生検 (cold cup biopsy) をして…

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