こんにちは。
前立腺癌に特有のGleason score について、実例を載せておきます。
Gleason score はISUPのコンセンサス会議で改正され、少しずつ変化してきました。
再現性を担保する上で重要なことは、
・弱拡大での観察を重視する
・独立腺管=Gleason pattern 3
・癒合(融合)腺管 = Gleason pattern 4
・管腔がない(充実性・孤在性・索状)= Gleason pattern 5
というポイントを押さえておくことではないかと思います。
全摘標本からの画像です。この像だけだと、3+4か4+3か迷っての 3+4 でしょうか。
同じ症例の異なる視野です。この画像だと、3+4か4+3か迷っての 4+3でしょうか。
結構微妙なところ(というか無理やり決めた感じ)なんですが、この像で pattern 5 をつけてしまったり 3+3をつけるのはやめておいたほうがいいです。私と全く逆に判断する先生もいらっしゃるでしょうし、私も違う日に見たら違う判断をするかもしれません、、、
ただし、これが針生検だと、3+4 か 4+3 か迷うときにはなるべくアンダーにしておく方針で、3+4にします。とくにコアの10%以下のような小さな病変であればなおさらアンダーにします。
これは臨床的に、治療の選択肢が広がるというメリットが大きいと考えるからです。泌尿器病理の講習会でそのように教わりました。
そして、3+4 の場合だけ
「 Adenocarcinoma, 3+4, (Grade Group 2; approaching 50% Gleason pattern 4)」
のように pattern 4 の占める割合を記しておきます。3+4の中でも 3+3と迷うものから4+3と迷うものまで幅広いですので、これを記しておいた方が臨床医に伝わりやすいとは思います。何より、3+4 か 4+3かで迷った場合に「approaching 50% Gleason pattern 4」と書いておくことで、診断医の心理的な負担は軽減されると思います。
今後もGleason pattern の判定例は載せていきたいと思います。それでは。