uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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【論文チェック】前立腺 IDC-P による予後への影響

前立腺の IDC-P に関して日本からの報告があったのでチェックしました。

 

intraductal carcinoma of the prostate (IDC-P) は予後不良因子だということは知られています。

 

 

・2019

・The prostate

・名古屋のGroup(Tsuzuki T ら)

 

前立腺全摘後の生化学的再発に関して、Grade group とともに IDC-P の有無による影響を調べたという趣旨。

 

・1019名の前立腺全摘症例を検討

・年齢, PSA, T stage, Gleason pattern 5, IDC-P, 切除断端 について分析して, PSA再発との関連を検討。期間は 82ヶ月 (range, 0.7-148) 

・年齢とPSAはそれぞれ、67 (range, 45-80), 6.8 (range, 0.4-82) , 

・IDC-Pは157 patients (15.4%)に認められた。

・Grade group ごとに分けると、GG 2 (n = 29); GG3 (n = 60); GG4 (n = 13); GG5 (n = 55)

・IDC-Pを有する Grade group では、IDC-PのみられないいずれのGroupと比較しても予後が不良であった。(P < 0.0001)

・多変量解析では、integration of the IDC-P into the Grade Groups (Grade Group とIDC-Pを統合したもの) ・PSA値・切除断端の有無が独立した予後因子であった(P < 0.0001)

 

感想

Grade group はGleason grade をもとに階層化したものなので、統計的な処理の部分で切り口を工夫した報告といえます。IDC-P自体が独立した予後不良因子であるというのは確かなようですので、認められたら報告書に記載するようにしようと思います。

 

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