Biphasic squamoid alveolar renal cell carcinoma (BSARCC) の報告を見かけたのでチェックしてみました。
・2019
・Patholgy International
・Zhou L ら
・上海ジャオトン大学
・Papillary RCC の一型として、まれな腫瘍である。
・今まで90例の報告がある
・今回、3例の症例について報告
・いずれも CD57陽性
・免疫染色では、CK, PAX8, CK7, CK19, AMACR, EMA, and vimentin が陽性
・Larger cells では cyclin D1、 CD57 が陽性
2012年にPetterson が報告した、biphasic alveolo-squamoid renal carcinoma が最初で、その後、Hes らが21例・Trpkov らが28例を集めて報告、現在では biphasic squamoid alveolar renal cell carcinoma と呼称されています。
本文は Pathology international なので、病理学会員であれば病理学会のHPからアクセス可能です(link)がオープンアクセスではないため、ネット上で biphasic squamoid alveolar renal cell carcinoma の組織像を検索してみました。
↑の文献から組織像を見ることができます。
BSARCCでは "large eosinophilic squamoid cells, and smaller amphophilic cells " という特徴的な2つの細胞が見られます。
弱拡大では nest ~ sheet 状に増殖
淡好酸性の胞体の squamoid cell とより小型の腫瘍細胞を認めます
↑ 文献ではないですが、海外のサイトでも症例提示がありました。
こちらは squamoid cell をとりまくように small cell が配列しており、BSARCCであると思われます。
先の論文では、以下の免疫染色がなされていましたので、このあたりから選択して診断の補助として利用するのが良いと思います。
CK
vimentin
AMACR
pax‐8
cyclin D1
CD57
CD117
CK7
CK19
CD10
CA9
WT‐1
TFE3
Ki‐67
かなり稀な腫瘍なので、経験する可能性は低いですが一度は見てみたいと思うところです。