前立腺癌のマネジメントにおいてPSAは必須の役割を担っています。
シンプルに考えると
「PSAが上昇=再発」
という感じです。
これはこれでおおざっぱな理解としては大丈夫なのですが、きっちりした定義もあります。
NCCN (national comprehensive cancer network) のガイドラインに記載されている再発の定義をみていくと、、
(参照先: https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/prostate.pdf
いわゆるPSA再発は、"PSA persistence/recurrence" と表記されております。
NCCN Guidelines Version 4.2019, PROS-12 では
PSA persistence/recurrence after RP is defined as failure of PSA to fall to undetectable levels (PSA persistence) or undetectable PSA after RP with a subsequent detectable PSA that increases on 2 or more determinations (PSA recurrence)
となっています。
つまり、前立腺全摘後に
「PSAが検出感度以下にならない」=PSA persistence
「PSAが検出感度以下になった後に2回以上PSAが上昇する」= PSA recurrence
というわけです。
再発という言葉は後者にあてはまるので、訳としては適切ではないかもしれませんが、ガイドライン上は両者をまとめて扱っているので、いわゆる再発= PSA persistence/recurrence と理解しておくほうが実際的です。
治療方法によって再発の定義が変わってくるということは気をつけておきたい点だと思います。