こんにちは。
前立腺生検の検体作成方法についての文献が出ていました。
・2019
・American journal of clinical pathology
・Murugan P et al.
・ミネソタ大学
生検組織の作成 (processing) に関して、通常の作成方法とBxChip を使ったprocessing について比較・検討したという内容です。
・multiplex method のほうが時間が短縮できる (3倍)
・Nonlinear fragmentation was absent (直線的でない断片化がなかった)
結論
・The BxChip reduced tissue fragmentation and increased efficiency of prostate biopsy diagnosis. It also resulted in overall cost savings and significantly increased tissue length
BxChip を使うことで組織の断片化が避けられ、効率的になる。結果的にコスト削減や(検索可能な)組織長の増加が得られる。
アブストラクトだけではイメージがつかみにくかったので、BxChipについて調べてみました。
こちらの LUMEAというところが開発しているようですが、溝のついた台座に6本のコアを入れることができ、6本同時にブロックにすることが可能なようです。
リンク先の画像ですが、溝をほった台座ごと組織を薄切しています。
隔壁ごと組織にしてしまうというのは、コアごとの混在がなくて、とくに断片化したときには有利かと。
私自身はサンペルカというスライドガラスの保護に使われている発泡ポリエチレンフォームに溝掘り加工をしてもらって、まっすぐな組織を作成できるように工夫していたのですが、包埋の際には台座は破棄していたので、この発想はなかったですね。
Up to 18 cores can be multiplexed on one slide, reducing slides from 12 to 2.
これを使うことで標本のクオリティは上がりそうですが、隔壁がそのまま標本になってしまうのは、賛否両論あるかもしれません。
使ってみたいところです。