uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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病理

【前立腺】BPHってなんのことかわかりますか?

今回は組織像はでてきませんが、以前より気になっていたテーマです。Benign prostatic hyperplasia (BPH) についてです。いわゆる前立腺肥大症のことですが、、、、 教科書的には 本稿を書くに際してもう一度病理の教科書を確認しました。(Robbins & Cotran …

【感染症】Aspergillus (アスペルギルス)症の顕微鏡画像

透析患者さん外耳道内から採取された検体です。真菌塊(真菌球)が見られたのですが、Aspergillus (アスペルギルス)感染だと診断可能な組織像が見られたので掲載しておきます。アスペルギルスは糸状菌の一種で、Y字型の鋭角な分岐が見られる・菌糸の幅が一定で…

【前立腺】放射線治療後の前立腺組織像

前立腺癌に対しては放射線治療が行われることがあります。IMRTなどの外照射・小線源治療などの内照射・ほかにも粒子線治療など多岐にわたります。放射線照射後の前立腺組織はみる機会は多くありませんのでここで提示しておきます。 HEです 二相性の不明瞭な…

【精巣】Sertoli cell only syndrome

精巣から採取された検体です。精細管内には単一のSertoli cellしか見ることができません。同細胞は明瞭な核小体を1つ有するのが特徴です。精子形成の各段階のgerm cellsが含まれず、造精機能障害となります。男性不妊症症例。なお精巣における造精機能を評価…

【前立腺】BCG注入療法後にみられる肉芽腫性前立腺炎

膀胱癌の治療として膀胱内へのBCG注入療法がなされることがあります。CISに対する治療目的やTURBT後の再発予防目的ですね。治療にともない男性の場合はPSA上昇がみられることもあり、前立腺癌の除外のために生検されることがあります。膀胱内への薬剤注入で…

【大腸】 過形成性ポリープ hyperplastic polyp

大腸の過形成性ポリープです。 全く珍しくないものですが、、、 杯細胞 goblet cell の増加と陰窩の鋸歯状変化が見られます。

胃底腺ポリープ hyperplastic polyp, fundic type

過形成性ポリープの胃底腺型です。 全く珍しくないものですが、載せておきます。 腺窩上皮にも過形成性変化が見られるような気がしますが、基本は胃底腺の過形成。 嚢胞状の拡張を伴うことが多いです。 これがある人にはピロリ菌(Helicobacter pylori)はいな…

【自作】 スマホ用顕微鏡写真撮影アダプター

以前の記事で「スマホで顕微鏡写真をとる」というテーマを書きました。 何も道具は使わずに手だけで撮影できるという内容で、実際そのやり方でずっとミクロ画像を撮影してきました。 しかし、撮りたいと思ったときの顕微鏡に室内光が映り込んだり、自分の調…

【皮膚病理】汗嚢腫 hidrocystoma

エクリン汗嚢腫 (Eccrine hidrocystoma). 皮膚の病変です。真皮内に嚢胞性病変がみられます。 嚢胞壁は好酸性の立方上皮に裏打ちされ、エクリン汗腺に類似します。 脂腺嚢腫 steatocystoma などが鑑別して挙がるでしょうか。

膀胱second TUR切片にみる類上皮細胞

膀胱癌に対するsecond TUR切片です。 壊死や肉芽組織とともに集簇するepithelioid な細胞を認めます。 核異型は目立たず、組織球かと思うも100%carcinomaを除外する自信 がなく、、念のため免疫染色を施行しました。 CD68の免疫染色で多くの組織球が集簇する…

腎血管筋脂肪腫 angiomyolipoma

泌尿器科領域でAMLといえば腎良性腫瘍である血管筋脂肪腫。 病理医と話をしていてAMLですといえば普通は急性骨髄性白血病 を想起するでしょうが、私はangiomyolipomaを考えます。 腎エコーで高輝度を示しますし、CTで脂肪成分があれば 診断は難しくないため…

【組織像】副腎皮質腺腫 adrenocortical adenoma

Adrenocortical adenoma の組織像です。 副腎皮質に類似した淡明な細胞。 好酸性の細胞。図では黒褐色の顆粒(lipochrome)を含む細胞が目立ちます。 細胞質の豊富な細胞だけでなく、かなり小型の細胞をまじえる こともあります。 好酸性の緻密な細胞質を有す…

【肉眼像】副腎皮質腺腫 adrenocortical adenoma

副腎皮質腺腫の肉眼像です。黄色~黒褐色の割面を示します。 原発性アルドステロン症の症例では小さいことが多く(2.5cm以下) Cushing症候群の症例では大きいことが多い。

副腎骨髄脂肪腫 myelolipoma

副腎の骨髄脂肪腫 myelolipoma の症例。 黒褐色割面で一部に黄色部分を含む。 副腎被膜直下にわずかに皮質細胞が確認できる。 成熟脂肪組織と血球成分からなる。

副腎ganglioneuroma

副腎発生の神経節腫 ganglioneuroma の症例。 副腎の皮質がとりまいて割面は灰白色の腫瘤を形成する。 大型の神経節細胞と神経線維・Schwann細胞により構成される。 この症例では副腎皮質と腫瘍が混在しています(左下に皮質細胞)。

RFA後の腎生検組織

腎細胞癌疑いで経皮的ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:RFA)を施行され、そののちに針生検で得られた組織です。 熱による変性が見られるも、淡明~好酸性の細胞質を有した細胞が胞巣を形成します。血管に取り囲まれる胞巣を形成していることも併…

精細管の組織像

病理組織をみていると、造精機能の保たれた精巣実質や精細管をみる機会は意外に 少ない。精子形成の保持された精細管が真ん中にあります。

精巣の奇形腫

精巣に見られた成熟奇形腫です。 線毛上皮、軟骨、腺房、脂肪、平滑筋組織を含みます。 気管支への分化を思わせる像です。

荒廃した腎実質にみるnephrogenic adenomaとの類似性

荒廃した腎実質です。尿細管や集合管が萎縮し、荒廃しています。 微小嚢胞状、細管状のパターンを示すnephrogenic adenomaに類似しており、 hobnail状の細胞も見られます。 Nephrogenic adenoma の由来が腎尿細管細胞であり、膀胱内での生着・増殖病変である…

接線方向に切れた腺管

上、HE 下、34βE12 前立腺生検で見かけた上皮の集塊。基底細胞が接線方向に切れた像でした。

前立腺癌の肉眼像-たいていは癌の結節はよくわからない

前立腺全摘の割面肉眼像です。 ほとんどの症例では多発しており、割面を観察しても癌の結節は同定しがたいです。 珍しく、肉眼的に把握できる境界明瞭な黄色の癌巣を認めました。 左TZ領域に17mm大。 この例では黄色ですが、白っぽいことも多い印象です。 右…

核の偽重層化を伴う前立腺癌腺管

前立腺生検の組織像です。 とくに弱拡大でみると腺管の密度は低く管腔もやや屈曲しており良性腺管のような 印象を受けます。腺管を構成する細胞も2~3層ほどあるように見え、二相性 があるようにも見受けられます。 実際には下のように34βE12免疫染色で二相…

前立腺癌で34βE12が陽性になることがある

前立腺生検で見つかった腺癌です。形態的には通常の腺癌で Gleaon score 3+3という感じ。 左はHE染色、右は34βE12の免疫染色です。 34βE12は基底細胞マーカーであり腺癌では二相性消失により陰性になるはず。 この症例では弱~中程度の陽性像が明らかな癌腺…

【病理画像をスマホで撮影する その2】

病理画像をスマホで撮影していると使用している顕微鏡によって 少し癖があるようです。 場合によっては顕微鏡そのものというよりも室内の環境が影響します。 例えば この写真のように右上のほうに青白い光が写りこんでいます。 これぐらいならどうってことあ…

【病理画像をスマホで撮影する その1】

病理画像(ミクロ写真・顕微鏡写真)の撮影はいろいろ方法があります。 DPシリーズなど専用の機材を使えば綺麗な顕微鏡写真を撮影できます。 しかし高価ですし手軽さには欠けるかと思います。 普段私が撮影しているのは自分のスマホを用いた方法。とにかく手…

WHOブルーブック

WHOのブルーブックが発売され、先日手元にとどきました。 前立腺のGleason grade など少し変化があるみたいですね。 これはamazonで購入可能でした。 WHO Classification of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs (World Health Organi…

視野数を忘れています

追記です。視野数は白矢印で示した部分に書いてあります。

病理標本上でだいたいの直径がわかります

荒廃腎に見られた結節状の腫瘍です。5mm以上かどうかで乳頭状腎細胞癌と乳頭状腺腫が分かれたりするのでだいたいのサイズが知りたい。 そういう目的でメモリがついている接眼レンズもあったりますが持ってませんw この写真では対物レンズが4倍です。視野…

異型嚢胞と泡沫細胞

ACDKに見られた異型嚢胞。荒廃した腎組織でよく見かけます。 画面の左には泡沫細胞の集簇像が見られます。 拡大像 泡沫細胞と淡明細胞癌の細胞は似ているので間違えやすい。

病理組織像(膀胱)

たまに膀胱でみかけます。なんでしょう。 乳頭状に増殖することもありますが、写真右側ではびらん状になっています。

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