uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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【前立腺】癌と間違えやすい萎縮腺管

前立腺では癌腺管か非癌腺管かの鑑別は時として難しいものです。数多く診断していても高分子量サイトケラチンの34βE12は常に併用したいと思うところです。

癌と間違えやすい非癌腺管として「萎縮腺管」があります。分泌細胞が消失して基底細胞が腺管を構築しており、ぱっと見たところ二相性が消失しているので癌ではないかと思ってしまうことがあるようです。

弱拡大でみると領域性があるようにもみえ、核もやや大きいように思えます。これらはいずれも基底細胞からなる萎縮腺管です。基底細胞はN/C比が高かったり、核小体が見えたりするので気をつける必要があります。

 

非腫瘍腺管は過形成をきたして鋸歯状形態を示すことが多いため、小型の円形腺管の集簇という観点からみると癌の特徴を備えているように思えます。

 

小型・円形腺管で二相性がはっきりしない場合でも、癌か萎縮なのかを見分けることは大切です。

 

 

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