uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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精巣腫瘍の組織像【セミノーマ】

こんにちは。

 

精巣腫瘍で最も頻度が多いのがセミノーマです。50%程度。

 

このseminoma と non-seminoma の鑑別は病理診断において重要なのですが、pure seminoma は均一な組織像を示すことが多いので精巣腫瘍の診断ではもっともわかりやすいと思います。

 

↓ 大型の腫瘍細胞と小型のリンパ球を認めます。

 

拡大像です↓ 

拡大してみると腫瘍細胞(大)とリンパ球(小)が対照的なことがわかります。このような像を two cell pattern と呼ぶことがあります。

腫瘍細胞は大型ですが、敷石状に整然と配列しています。核形の不整はありますが、だいたい同じくらいのサイズで、細胞質は明るいです。核小体は比較的はっきりしています。

細胞質が明るいのはグリコーゲン顆粒が含まれているためです。

 

腫瘍周囲の残存精細管の中にはseminoma と同じ形態の腫瘍細胞を認めることが多いのですが、これを現在のWHO分類ではGCNIS (germ cell neoplasia in situ) と定義されています。

 

昔はITMGC・CIS・IGCNUなどいろんな呼び名があったのですが、GCNISに統一されたということを覚えておきましょう。

 

 

WHO Classification of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs (World Health Organization Classification of Tumours)

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