こんにちは。
「病理画像をスマホで撮影する」というテーマでいくつか記事を書いてきました。
市販のアダプターを使わなくても撮影可能なアダプターはできないだろうか。ということで、安価で手軽に利用できるアダプタを改良してきました。
今回は改良版のアダプタの紹介と、より簡単に撮影できるテクニックを併せて紹介します。
簡単に作成できるアダプタ
以前は「木を加工したもの」や「ポリスチレン製」のものや「ペットボトルのキャップ」を使っていたのですが、今回はアルミ缶ボトルの蓋を使います。
↑ コーヒーなどのボトル缶の蓋を使います。
↑ この真ん中に1cm弱の穴をあけます。アルミ缶ですので、それほど加工は難しくありませんでした。尖ったはさみ(尖刃)をゆっくり差し込んで、回しながら穴を広げていきます。裏側は白い樹脂が盛り上がったようになるので、カッターでトリミングしておきます。穴の直径は5mmだとやや小さいため1cm前後がいいと思います。
顕微鏡画像の撮影テクニック
では病理組織の撮影方法です。作成したアダプタを接眼レンズにあてがいます。だいたい真ん中に合わせてください。
↑ アダプタの真ん中に光の点が見えると思います。スマホのディスプレイをみて、この光の点が見える状態で近づけて行きます。
ディスプレイの中心・アダプタの穴の中心・光源の3つを合わせることを意識するといいです。
↑ かなりアダプタに接近しました。ぼんやり顕微鏡の像が見えてきます。このままスマホのカメラが当たるところまで近づけると、右の画像のようにスマホの画面に表示されます。 ここでシャッターボタンを押すと撮影完了です。
以前との比較
どうでしょうか。とても簡単に撮れるんだということがわかります。前回作成したペットボトルのキャップではやや小さいために接眼レンズに当てたときに場所あわせがやや難しいのと、材質が滑りやすいという傾向がありました。(とても簡便にとれるので良い方法なので、実用上全く問題はありません。)
今回のアルミ製の蓋であればサイズは生物顕微鏡の接眼レンズにちょうど適合する大きさですし、アダプター自体が滑りにくいためより光軸合わせが容易になりました。
スマホのディスプレイを見ながら光軸を合わせる新しいテクニックもなかなか使える方法だと思います。
まだ、穴をあけるという加工の手間があるので、病理医の先生や忙しい方々にとっては試してみようという気にはならないかもしれません。それでも一度作っておくと便利ですよ。
市販のアダプターもありますので、そちらもリンクしておきます。
過去記事はこちら↓