uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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Jonsen's score について

こんにちは。

 

TESEやMD-TESEの検体をたまにみることがあります。精子形成の有無や、どの程度の分化段階までのgerm cellが確認できるのかなど評価するわけですが、おそらくはJonsen's score をつけている病理医が多いのではないでしょうか。

覚えきれないので備忘録として残しておきます。

 

Johnsen’s score count
1: 精細管内に細胞成分を認めず
2: 精細管は欠如。Sertoli 細胞のみ
3: 精細胞は精祖細胞のみ
4: 精子、精子細胞を認めず、精母細胞も数個
5: 精子、精子細胞を認めず、精母細胞も多数
6: 精子を認めず、精子細胞も 5~10
7: 精子を認めず、精子細胞が多数
8: 精細管管腔内に精子が 5~10
9: 多数の精子を認めるが、細胞配列に乱れ、内腔が狭い
10: 精細胞の層が厚く規則正しく配列、内腔がある。多数の精子を伴う完全な精子形成能
*Johnsen SG:Testicular biopsy score count – A method for restriction
of spermtogenesis in human testis: normal values and results in
335 hypogononadal males. Hormones, 1:2(1970)

スコア1・・・no germ or Sertoli cells (Seminiferous tubule hyalinization)

スコア2・・・Sertoli cell-only syndrome

スコア3~7・・・Maturation arrest

スコア8・・・Hypospermatogenesis

スコア9・・・Almost normal spermatogeneis

スコア10・・・Normal spermatogenesis.

 

このスコアリングで大事なことは、8以上のスコアの精細管の有無であり、無い場合は術中に顕微受精に使用できる運動精子が確認できないことが多いようです。

 

私の報告書では、意味があるかどうかわかりませんが Johnsen's score 以外に、標本上含まれる精細管の概数、精細管基底膜の硝子化・肥厚の程度、間質内のLeydig cellsの集簇像の有無、については記載するようにしています。GCNISについては精巣生検で診たことがありません。スコアについては最も状態の良い精細管についてのみ報告しています。(平均値を出すとか、すべての精細管についてスコアをつけるという話も聞きますが、そこまではされている病理医の先生はいらっしゃるのでしょうか。私には無理ですが。)

 

※個人的な備忘録の意味合いで記事にしています。診断に用いる場合には成書や文献等で確認していただいくようお願いいたします。

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