uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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【副腎】褐色細胞腫 pheochromocytoma

副腎原発の褐色細胞腫の組織像です。

副腎だと褐色細胞腫 pheochromocytomaと呼ばれ、副腎以外に生じるとparagangliomaという名前になる相同の病変です。

副腎髄質細胞に類似した、好塩基性もしくは両染性の細胞質を有した腫瘍細胞がびまん性(索状?)に増殖します。血管が豊富であり、血管隔壁が腫瘍細胞を取り囲み胞巣を形成する場合はZellballenとも呼ばれます。本例では明瞭な胞巣形成は見られませんが、なんとなく血管に囲まれる雰囲気もあります。

 

通常免疫染色は行いませんが、副腎髄質細胞と同様にchromogranin-Aが陽性になります。

 

臨床の先生から「良悪についてはどうですか」と聞かれることがありますが、組織学的に良悪を判別することはできないとされています。悪性褐色細胞腫は転移があってはじめて診断がなされるものです。

ただし、副腎皮質腺腫におけるWeissのcriteriaのようにスコア化する試みはあり、PASSという12項目からなるスコアもあります。しかし、項目も多く診断者の恣意的な評価に大きく左右されるためWeiss以上にばらつきそうです。数値化することで、一見客観的にみえてくるため、数字が一人歩きすることは危険かもしれません。

一般的な悪性の基準として、異常核分裂像や壊死などがあれば診断には記載したほうが望ましいと思います。

Ki-67 indexについては悪性度の参考になるとされています。cut off 値は2~5%とされてます。(cut off 値に幅をもたせてある時点でcut offできないのはお察し下さい)。

 

 

 

 

 

 

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