uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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ケラトアカントーマの組織像

こんにちは。

 

ケラトアカントーマ (keratoacanthoma) の組織像です。

 

画像のようにドーム状の隆起をしめす病変で、底部が丸く収束しています。これを 「cup-shape」 と表現されます。 真ん中は角栓を容れてやや陥凹が見られます。

 

角化が目立ちます。細胞質は豊富。 

 

胞巣の深部ではリンパ球主体の炎症細胞浸潤が見られます。炎症のためか拡大を上げると境界が不明瞭な印象があります。 これくらいの異型性はあっても良いかと思います。

 

 

病変の周囲では表皮が口唇状に持ち上がるように見えます。これは「overhanging lip とか lipping」 と呼ばれます。

 

臨床的には

・中年以降に好発

・90%以上が顔面に

・数週間で増大して数ヶ月で消退する

・直径1-2cm

という特徴があります。

 

 

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