前立腺生検の組織像です。
とくに弱拡大でみると腺管の密度は低く管腔もやや屈曲しており良性腺管のような
印象を受けます。腺管を構成する細胞も2~3層ほどあるように見え、二相性
があるようにも見受けられます。
実際には下のように34βE12免疫染色で二相性の消失が確認できます。
この症例では複数のコアに典型的な腺癌を含み、癌の診断には問題ありませんでした。
このように小型・円形・独立した腺管が密に集簇するという典型的なGleason pattern 3
ではなく、数層の核を有したやや鋸歯状の内腔をもつ前立腺癌もあります。