uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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【病理画像をスマホで撮影する その2】

病理画像をスマホで撮影していると使用している顕微鏡によって

少し癖があるようです。

場合によっては顕微鏡そのものというよりも室内の環境が影響します。

例えば

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この写真のように右上のほうに青白い光が写りこんでいます。

これぐらいならどうってことありませんがこれは何でしょうか。

f:id:uropatho:20160309181840j:plain

さらにはっきり写りこんでいます、ここまでくるとちょっと

うるさい感じ。

これは天井の蛍光灯ですね。

顕微鏡の接眼レンズとカメラの間にすき間があるためにこういう

ことが起きます。

そこで少し接眼レンズに沿える左手の位置をかえてみました。

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左手全体でライトの光を遮るようにして撮影すると

写りこみはなくなりました。これも慣れですね。

市販のアダプターなんかを使えばさして問題にならない

ことかもしれません。

 

ところで、コンパクトデジカメでも撮影してみました。

スマホに比べるとズームの部分が伸びていて固定しづらい、、、

手ぶれがおこる、撮ってからデーターを移動するのが面倒、、、

どちらかというとデメリットが多いような感じでした。

(ただ、これも「慣れ」だとは思います)

なお、ネットで検索したところ

デジカメでの顕微鏡撮影用にもいろいろとアダプタが市販されて

います。接眼レンズに固定するものや三眼鏡筒に接続するものなど。

 

個人的に、手軽さを重視して今のところはスマホが一番かなー。

 

【病理画像をスマホで撮影する その1】

病理画像(ミクロ写真・顕微鏡写真)の撮影はいろいろ方法があります。

DPシリーズなど専用の機材を使えば綺麗な顕微鏡写真を撮影できます。

しかし高価ですし手軽さには欠けるかと思います。

普段私が撮影しているのは自分のスマホを用いた方法。とにかく手軽に撮影できます。

1)次のようにスマホのカメラの部分を接眼レンズにつけて撮影モードにします。

f:id:uropatho:20160309130139j:plain

2)これだけだと真っ暗か小さな明るい円が見えるだけです。

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3)そこで接眼レンズをつまむように指をそえてレンズから1cmほど離した位置にスマホをもってきます。

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↑この状態で、本体を指にあてがうようにすると指で位置の微調整ができます

↓するとこんな感じにみえます。

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↑これだと少し離れすぎ

f:id:uropatho:20160309165309j:plain

↑少し近づけてこれぐらいだとちょうどいい感じ。

だいたい1~1.5cmほど離れた位置が最も綺麗にみえます。

4)あとはシャッターボタンを押すだけ。

 

 私が普段使用しているスマホはNexus6Pですが、以前使用していたiPhone5sでもほぼ変わらない高画質の写真が撮れました。最近のスマホであればどれでも撮影可能でしょう。

撮った写真をフォトアプリ(iPhoneなら写真アプリ)で確認して拡大すればかなり精細な画像が得られることがわかります。

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試しに撮った画像です

どうでしょうか、スマホで拡大していい感じの大きさにしたところでスクリーンショットをとれば視野周囲の黒いふちもなく、さらに見やすい画像になります。上の写真では少し黒いふちが残ってますが、、、( ̄▽ ̄)

 

【念のために】

スクリーンショットはAndroidであれば電源ボタン+音量下げるボタンの長押し、iPhoneであればホームボタン(画面下の丸いボタン)+電源ボタンの長押しです。

 

ひと昔前とはネットの環境もスマホの性能も進化しましたね。

こうやって撮った画像もすぐにDropBoxやGoogleドライブなどのオンラインストレージへ保存してブログに使ったりパワーポイントに張り付けたりと、時間や手間をかけずに扱うことができます。

また、撮った写真をすぐにラインで知り合いの病理医に送ってみたのですが、「これは診断できますね~」と驚いていました。モニタやプロジェクターのレベルでは完全に実用レベルと思われます。

すこし慣れが必要ですが、どーしてもうまくいかない人には「顕微鏡接眼レンズ取り付けスマホアダプタ」が市販されています。取り外しが面倒そうなので私は購入していませんが、安価で評価の良いものもありますので試してみる価値はあると思います。

 

 

 

(2018/8/16追記)

関連記事を更新しましたのでご参考までに。

www.pathonosuke.net

 

 

WHOブルーブック

 WHOのブルーブックが発売され、先日手元にとどきました。

前立腺のGleason grade など少し変化があるみたいですね。

これはamazonで購入可能でした。

WHO Classification of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs (World Health Organization Classification of Tumours)

WHO Classification of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs (World Health Organization Classification of Tumours)

  • 作者: Holger Moch,Peter A. Humphrey,Thomas M. Ulbright,Victor E. Reuter
  • 出版社/メーカー: World Health Organization
  • 発売日: 2016/02/02
  • メディア: ペーパーバック
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

 

病理標本上でだいたいの直径がわかります

荒廃腎に見られた結節状の腫瘍です。5mm以上かどうかで乳頭状腎細胞癌と乳頭状腺腫が分かれたりするのでだいたいのサイズが知りたい。

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そういう目的でメモリがついている接眼レンズもあったりますが持ってませんw

この写真では対物レンズが4倍です。視野数26.5の接眼レンズでみています。

すると、26.5÷4≒6.6mm ⇒ この視野で見えている直径は6.6mmほどと計算できます。

ではこの結節はだいたい3~4mmほどかなと推測できますね。

対物レンズが10倍(オリンパスだと黄色い)だと計算しやすくて視野数を10で割ればいいため視野の直径は2.65mmだとわかります。対物レンズが20倍なら20で割る。

 

経験上、接眼レンズの視野数は22という顕微鏡が多い気がします。

ところで、昨日フラジャイルで岸先生が使っておられた顕微鏡も視野数22でした。

(こまかい、、、)

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